はとごや

はとごや

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【98点】BUSTAFELLOWS レビュー・感想

レビュー

総合得点 98/100点

シナリオ 10/10 ★★★★★★★★★★
キャラ萌え 10/10 ★★★★★★★★★★
グラフィック 10/10 ★★★★★★★★★★
音楽・ボイス 10/10 ★★★★★★★★★★
システム 9/10 ★★★★★★★★★☆

感想(ネタバレあり)

"あざやかな悪"について

「あざやかな悪に染まれ」という言葉について考えてみる。

作中でメインヒーローのリンボは「何が正義かは、俺が決める」と言っている。正義とは絶対的な概念であるように思えるが、実のところそうではない。誰かにとっての正義が他の誰かにとっては悪であることは往々にしてあることで、絶対的な善や正義はこの世にひとつとして存在しない。むしろ、正義を振りかざすことは悪を貫くことと等しい。正義とはすなわち悪だ。リンボの言う「何が正義かは、俺が決める」とは、絶対的な善悪は存在しないことを理解した上でそれでも自分の信じる正義あるいは悪を貫くという決意なのだと思う。

今作と世界感を共有した過去作のSide Kicks!のテーマは「暴き出せ!──本当の悪を、その真実を」で、Side Kicks!の主人公や仲間達は警察の特別捜索課、つまりは絶対的な正義として悪を暴き出した。BUSTAFELLOWSの主人公や仲間達は"世のため人のため自分のため"法で裁けない悪人を裁き、そのついでに悪人の金を回収している。悪人を裁くのは誰かのためではなく自分のためとすることで、自ら正義(すなわち悪)を行うことに責任を持っている。この対比はとても面白いと思った。

そして、主人公のテウタも、リンボや他の仲間達の決めた正義に乗っかるのではなく彼女自身の決めた正義に従って行動する。彼女の正義のひとつは亡くなった兄に関することだ。ギャングとの抗争に巻き込まれ死亡した兄のことを、テウタは今でも大切に思っている。正義感にあふれ妹に優しかった兄の思い出を大切にし、警官を休職して荒れていた兄も最後まで優しいままだったのだと信じている。そうしたテウタの正義は真相ルートで脆くも崩れることになるのだが、それでもテウタは自分で正義を選ぶことをやめない。「私達は、本当に美しいものを知ってるから」と、あざやかな悪に染まったテウタはこれからも自ら考え、自分の決めた正義(悪)を貫くのだろうと思う。 

シナリオ

なんだかんだ書いたけれど、乙女ゲームとしてすごく楽しかった! キャラクターとしてはリンボが好きで、個別シナリオや恋愛描写はモズのシナリオが好きでした。共通パートがすごく楽しかったからこの倍くらい欲しかった。真相シナリオは描写として必要だったんだろうな~と思うけれど、悲しくやるせない気持ちにはなった。私はテウタがお兄ちゃんの思い出を語るシーンが好きだったんだ……。

特に好きなのは攻略キャラに選んでもらった水着を着るシーンなんだけど、キャラごとに水着デザインが違うのは当然として、彼らがどんな女が好みなのか、女にどのくらいの下心があるのか表現して、水着姿の主人公を可愛いと褒めてくれるのは最高だった。水着の選択規準のメモが限定版特典冊子に書いてあってアフターサポートの手厚さに感動しました。モズの水着チョイスは意外だな~と思っていたけど冊子を読んで納得したと同時にすめらぎ琥珀先生に五体投地でお礼を言いたくなりました。本当にありがとうございます……!

恋愛描写は、事件解決に向けて行動してる間にお互いの過去や抱えてる傷を打ち明けあって支え合ってるうち、この人と一緒に生きていきたいと思わせるタイプの話で好きです。あの人は私のことどう思ってるのかな? 好きなのかな? みたいなつまんないウジウジが一切ない所も大変いいです。テウタは"相手が何を望んでいるのかは考えてもわからない、だから私が相手にしてあげたいことをする"と考えているし、伝えたいことがあればきちんと対話する。そしてヒーロー達も大事なことはきちんととテウタに話してくれるので対話不足によるすれ違いがなく、お前らちゃんと話せえよというストレスがないのも良いです。

真相ルートに関しては、最初読んだ時「ここにきて怒濤の新事実が判明しても何も言えん」という気持ちになってしまった。嫌いじゃないけど、救いがないというか、後味が悪いというか。ただ、あの事件がなければ主人公はアダムとプロムに行ってアダムと付き合ったりしたんだろうな……と思わせるところは結構好き。幼なじみへの叶わなかった恋が性癖なので。万が一ファンディスクなど発売されたとしても、アダムルートは作らないで欲しい。

キャラ萌え

テウタ(主人公)

めちゃくちゃ好きな主人公でした。明るくて思いやりがあって感情表現が豊かな部分は純粋に可愛くて、そして賢いところがいいと思います。察しが良いというか、プレイヤーが気づいたことに彼女も気づいてくれるので。プレイヤーからは独立した人格を持っていても、プレイヤーと同じくらい賢くいてくれると感情移入しやすいんだと思う。近藤唯さんの声もとてもあっているし、テウタの天真爛漫さが声から伝わってくるのがとてもよい。

リンボ

悪徳弁護士と言われているけれど、結局は正義のヒーローになりたかった人なのだと思う。ただリンボは、みんなのためのヒーローではなく、自分のために勝手に人助けをする悪人を選んだだけで。強いお姉ちゃんに頭が上がらない弟として育った反動で可愛いフリフリの水着が好きなのいい……。KENNさんは地声が幼めで可愛い声だと思っているんだけどそれがリンボに良く合っていて、リンボが冗談を言ったりする時のトーンが特に気に入っている。

リンボの弾くピアノにあわせて主人公が鼻歌を歌うシーンは、主人公声ありゲーとして最高のシチュエーションだと思います。バッドエンドではテウタの鼻歌を思い出しながらリンボ一人で鼻歌を歌う部分もあって心が痛くなりました。ステラワース特典冊子に掲載されているバッドエンド後の物語も、よくもまあこんな苦しい展開を! って感心するくらいなのでまだ読んでない人は読んでみて欲しいです。ステラセット再販してるらしいので。

シュウ

初対面だとちょっと冷たいというか怖いけれど、共通パートを進めている間に優しさとか頼りになるところがわかってきた人。スケアクロウが話を聞いて欲しそうにしているとき一番最初に話しかけてあげたのがシュウだったりで、そういうところ優しいんだよなあ……。シュウは殺し屋として過去何人も殺人をしているのだけれど、人を殺すのはいつまでも怖い、という所がぐっとくる。一匹狼みたいだけれど本当は狼の振りをした羊のようだと思った。細谷佳正さんの演技はものすごく自然で、うまくいえないんだけど、シュウならこういう喋りするだろうな~っていうのが自然に受け止められるというか。

ヘルベチカ

自分の見た目がいいのも女にモテるのも知ってる、頭の良いインスタ女子みたいな男。普段は論理的なことを言っているし女相手に軽薄な態度を取っているけど、個別ルートでは攻略キャラの中で一番感情的で身内には情が深いところが見えてくるので面白かった。やや早口の敬語口調が独特なのでヘルベチカの会話はついつい聞きかえしていた。吉野裕行さんのこのタイプの演技は初めて聴いたような気がするけれどめっちゃいい。

モズ

死に関する事柄について感覚が人とずれているので最初は面食らったけれど、感情表現は薄いけれど感情が薄い訳じゃないし、人のこともよく見ていて気遣いが出来るので、関わっているうちにこの人いいな……ってなってくる。ルート外でも主人公のことを気遣ってくれたりるので好感度がめっちゃ上がった。シュウルートでテウタ不在時にシュウをからかうシーンがあって、男同士の友達じゃないとこんな話できないだろ~と盛り上がっている中で"僕にとってはテウタも友達だから気が引ける"というようなことを言っていたのもいい……。恋愛関係になると結構男っぽいところを見せてくるのでそれもいい。
ヘルベチカルートで敵と対峙したときの「テウタ、危険だから、僕の後ろにいて。いい? 相手は銃を持ってる。銃を持ってるんだ」や、その後主人公に銃を渡すときの「これ、持ってて。いい? 重いから、しっかり持って。危険だと思ったら、引き金を引いていい」のような、こういうときの言葉がものすごくお兄ちゃんっぽくて素敵。声は基本的に淡々としている口調だけど心情が伝わってくるので福山潤さんの演技がすごい。

スケアクロウ

同年代の友達みたいな気安さで接してくれるのと、主人公に一目惚れして最初から親切に女の子扱いしてくれるのがいい。裏社会のボスを自称しているのは格好つけだし、付き合ってからはエエカッコシイな所もあるのが、等身大の男の子って感じで可愛かった。白井悠介さんの女慣れしてなさそうな演技もたまらん。

グラフィック

キャラクターグラフィックが素晴らしいのは公式サイトのGALLERYページの通りなんだけれど、通常立ち絵も表情差分が豊かで普通の会話シーンでもこの表情好きだな~と思うことが多かった。イベントCGはリンボのバッドエンドのCGが好き。絶望、悲しみ、憎しみ、と色々なパターンの表情があって、子どもみたいな顔の泣き顔の表現もすごかった。背景描写も綺麗だし、食べ物の画像がどれも美味しそうでプレイ中お腹がすごく減りました。

音楽

タイトル曲の「BUSTAFELLOWS」やエンディングBGMの「Beautiful evil within you」が好き。「Beautiful evil within you」の途中で「BUSTAFELLOWS」のメロディがエレキギターで流れてくると、ああ~1ルートクリアしちゃったんだ~と条件反射的に感慨深い気持ちになる。日常曲の「The fixers」「Scarecrow's estate」も耳馴染みが良くて好き。サントラCDが初回限定版に封入されているのも有り難い。SEが細かくて、自動車の停車時にサイドブレーキを引くSEが入っているの結構好き。

ボイス

私は乙女ゲームのボイスをめちゃくちゃ重視しているのだけどマジで文句の付け所がない。各キャラのボイスの感想はキャラ感想の部分に書いたとおり。 

システム

グラフィック面での見せ方が細かくて、例えば主人公が携帯電話のパスコードを入力する場面が一度だけあるんだけど、そのシーンのために暗証番号の入力画面が作ってあったりした。車の走行中に背景が動いていたり、LINE風のチャット画面の演出なんかも上手かった。
ノベルゲーム部分(文章を読み進める機能)の方はやや不便さがあったけれど、2度のバージョンアップパッチ配布によってだいぶ改善された。特にジャンプスキップ動作の改善はかなり便利になるのでプレイする前にアップデートした方がよい。ただ、バージョンアップ後も選択肢表示中にセーブできないのだけど、これは技術的な問題で実装されていないのではなく、何らかの意図で実装していないのだろうか?理由はわからないけど単純に不便なのでセーブさせて欲しい。
あと、ボイスのバランスが悪いというか、キャラによって声が大きかったり小さかったりまちまちだった印象がある。システム設定でキャラごとのボイス音量も設定できるのだけど、最初からボイス音量は一定にしておいて……。

総括

感想の文章量からお察しでしょうが、とても楽しく、色々考えながら遊べたゲームでした。乙女ゲーム(男女の恋愛描写)が好きな人は問答無用でプレイして欲しい。私はSwitch版をプレイしたけれど、AndroidiPhoneでもプレイできるのでぜひ!

公式サイト

joqrextend.co.jp

商品紹介

BUSTAFELLOWS(バスタフェロウズ) - Switch

BUSTAFELLOWS(バスタフェロウズ) - Switch

 

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BUSTAFELLOWS

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【74点】DYNAMIC CHORD feat.apple-polisher レビュー・感想

レビュー

総合得点 74/100点

シナリオ 6 ★★★★★★☆☆☆☆
キャラ萌え 8 ★★★★★★★★☆☆
グラフィック 7 ★★★★★★★☆☆☆
音楽・ボイス 8 ★★★★★★★★☆☆
システム 8 ★★★★★★★★☆☆

感想(ネタバレあり)

シナリオ

私はレヴァフェ編をめちゃくちゃ楽しんだ人間なのだけど、アッポリ編にもレヴァフェのメンバー(主人公含む)が登場するので、登場シーンで毎回はしゃいでしまった。この(主人公含む)というところが重要で、なんでかっていうと私は主人公をのけ者にされると怒ってしまうタイプの人間だからです(じゃあなんで主人公をのけ者にされると怒るのかっていうと、私は主人公に憑依して乙女ゲーをプレイするので、主人公がのけ者にされるとまるで自分がのけ者にされたかのような気持ちになるのだ!)
前作主人公は立ち絵があるわけでもなくセリフもなく、しかも名前すら出てこなかったように思うのだけど、この扱いに関しては、少なくとも私は満足している。レヴァフェのデビュー後も主人公がレヴァフェと一緒にいる所を見せてくれてありがとうという気持ちでいっぱいです。あと名前出さないのは名前変換派に優しいと思う。honeybeeそういうとこ信頼してるぞ!アスガルドが解散してもこれからも応援します。したいと思ってるんですけどアリスマはちょっと不安……。

V editionの追加シナリオに関しては賛否あるようなので、最初にプレイしたのがPC版でよかったかもしれない。

キャラ別雑感

クリアしたのが1年以上前なのでだいぶ忘れているのですが覚えている範囲で……。
(成海と夕星だけクリア直後に書いたのが残ってたのでやや長めです)

天城 成海

主人公はとにかく成海のことが大好きなのだけど、プレイしていると成海いいやつじゃん……って気持ちでいっぱいになってしまう。本当にいい奴。でもそれだけってわけでもなく、彼も悩んだり暗い気持ちになったりするんだけど、それでも強く生きていける光の存在でした。
プレイ前はレヴァフェ編の主人公でハッピーエンドを迎えたかったという気持ちが強かったのだけど、プレイ後は、アッポリ編主人公くらいバイタリティのある、成海のことをずっと大好きだった女とくっつくほうが成海も幸せになりそう。
蒼井翔太の演技に関してはもう、慣れてしまったので……としか言いようがないのだけれど、少なくともうたプリの頃ほどの嫌悪感はなかった。歌がうまいので私はもう許した(それでもうたプリ初期時代の演技を聴きたいとは思えないけど……)

音石 夕星

狂犬と言われているけれど実際の所は何が正常で何が異常なのか理解している人なんだなあというのがわかった頃に、それが普通じゃないことを知っていながら実姉の月夜を思い続けていたと判明する話はすごく良かった。アッポリの中では私は夕星が一番好きです。憑き物が落ちたような声で「月夜を愛してたんだ」と言うシーンが好き。

バッドエンドで憔悴した主人公を絞殺する展開があるんだけど、人を素手で絞め殺すのは相当度胸がいるし怖いと思うので、このシーンに夕星の愛の強さを感じる。

青井 有紀

死ぬ前に子孫を残していくのはやめてくれ……。

黒沢 忍

昔の女の話にめちゃくちゃ興奮した。こんな真面目な男が"初めての女"に振り回されてたの……やばい……。エンディング後はカップルとして一番精神的に安定して付き合って行けそう。

グラフィック

一枚絵のクオリティが不安定なのが気になるかな……。玲音のアイスクリームワッペン服が原作由来と知って衝撃を受けました。

システム

マウスジェスチャーでセーブ・ロード・スキップ操作できるのが便利。でも画面の文字がちょっと小さいような……。

総括

DYNAMIC CHORDの集大成みたいな1本。シリーズの中でもレヴァフェ編との結びつきが強いので、レヴァフェしかプレイしてないレヴァフェ推しの人もアッポリ編をプレイした方がいい。逆にアッポリ推しの人は、これ単品でプレイするより事前にレヴァフェ編をプレイしていると理解が深まるのではないだろうか(プレイしてなくてもそれなりに説明入ってるから大丈夫だとは思うけど、レヴァフェ編で過去何があったのか知っているとより楽しめるはず。特に成海ルート)

公式サイト

honeybee-cd.com

商品紹介

【通常版】DYNAMIC CHORD feat.apple-polisher

【通常版】DYNAMIC CHORD feat.apple-polisher

  • 出版社/メーカー: honeybee
  • 発売日: 2016/11/04
  • メディア: CD-ROM
 

【82点】VARIABLE BARRICADE レビュー・感想

レビュー

総合得点 82/100点

シナリオ 8/10 ★★★★★★★★☆☆
キャラ萌え 9/10 ★★★★★★★★★☆
グラフィック 9/10 ★★★★★★★★★☆
音楽・ボイス 8/10 ★★★★★★★★☆☆
システム 7/10 ★★★★★★★☆☆☆

感想(ネタバレあり)

シナリオ

全体的にコミカルで、婚約者候補の男達とワイワイ同居するのがめちゃくちゃ楽しかったです。個別パートもシリアスになりすぎず、でも真面目なところや色々考えさせられる部分もあったりで、バランスが良かった。

私が考えさせられたのは、壱哉ルートで壱哉に告白された主人公が「……それ、私でないと駄目なの?」と返すシーンです。これがものすごく面白くて怖い言葉だと思いました。主人公は他の男と結ばれるエンディングがあって、壱哉が相手じゃなくても幸せになれるんだよな……と。”あなたじゃなくても幸せになれる”乙女ゲーム”私/あなたじゃなきゃいけない理由”とは何なのか、壱哉と主人公の場合の答えを出してくれるのは面白かったです。

と壱哉ルートについて語った後で申し訳ないのですが私の最萌えは黛汐音で、汐音に主人公が懐柔されて甘やかされて堕落させられていく所にゾクゾクしました。汐音がやっていることは支配的だけど、汐音としては主人公の所有物になっていたい、主人公のことが好きだという気持ちを「ぼくは彼女によく似合う」と表現する彼が大好きです。

真相シナリオは、うーん……兄妹として過ごす彼らは見てて和むけど……って感じです。

グラフィック

薄葉カゲローさんの繊細な絵も素敵でしたが、私としては珍しくちびキャラのイラストが好きになりました。特に可愛いなあ、と思ったのは主人公と親友の中学時代のイラスト。公式サイトには掲載されていないけれど、有村さんの変身シーンのイラストもお気に入り。

音楽

タイトル画面やバリケードボード(フローチャート)画面で流れる「Get over the BARRICADE!!!」が印象的で結構好き。オープニング曲の「Sixteen」がゲーム中のクライマックスで流れるのも良かったです。

www.youtube.com

ボイス

主人公ボイスがとても良かったです。ツンと澄ました声や弱気になった声、怒った声も可愛くて主人公の魅力がぐっと増したと思います。攻略キャラのボイスは、乙女ゲームによく出てる人達なので良くも悪くもソツがないと思いました。Twitterで何度も言ってるけど梅原裕一郎版の壱哉の声*1を聴きたかった……。

システム

バリケードボードというフローチャートにそって進んでいくシステムなんだけれど、ひとつのシナリオが終わる度にバリケードボードの画面に戻されるのがちょっと面倒でした。エンディング回収のための周回中は特に、バリケードボードに戻されるのがストレスに……。バリケードバトルの演出はGlass Heart Princessのキューピッドの矢の演出を思い出して懐かしくなりました。

総括

2019年に唯一プレイした新作乙女ゲームなんですけど(嘘でしょ……) すごく楽しかったです。駄目なところのある男ほど可愛いと思える人ほど楽しめると思います。いい意味でオトメイトらしくない作品なので、オトメイトのゲームが苦手な人にもオススメです。

公式サイト

www.otomate.jp

商品紹介

VARIABLE BARRICADE - PSVita

VARIABLE BARRICADE - PSVita

 

*1:PlayStation®Vitaゲームソフト『VARIABLE BARRICADE』キャスト変更のおしらせとお詫び https://www.otomate.jp/home/news/news.php?num=20180808

【96点】十三機兵防衛圏 レビュー・感想

レビュー

総合得点 96/100点

シナリオ 9/10 ★★★★★★★★★☆
キャラ萌え 10/10 ★★★★★★★★★★
グラフィック 10/10 ★★★★★★★★★★
音楽・ボイス 10/10 ★★★★★★★★★★
システム 9/10 ★★★★★★★★★☆

感想(ネタバレあり)

※物語の核心に関するネタバレは避けています。

シナリオ

十三機兵防衛圏のシナリオはラブコメ・SF・青春・ミステリ等、色々な要素で構成されているが、最も重きが置かれているのは「世界の謎を解き明かす」という部分で、「追想編(アドベンチャーパート)」を読み進めるのはミステリ小説を読む感覚に近い。

十三機兵防衛圏には十三人の主人公がいて、それぞれの主人公の視点でのみ物語は進行していく。例えば、鞍部十郎編は鞍部十郎の視点で進むため、十郎が何を考えているのか・何をしているのかは語られても、十郎編に登場する他の主人公、冬坂五百里や網口愁、薬師寺恵が何のために行動しているのか、何を思っているのかは語られない。他の主人公である冬坂五百里を理解するには冬坂五百里編をプレイすることが必要になるし、逆を返せば、十郎編をプレイしなければ十郎のことは理解できない。

主人公の選択は、物語の進行度合いによってロックが掛けられることもあるが、基本的にはプレイヤーの任意のタイミングで変更することができる。十郎編をプレイしていて五百里が何をしているのか気になったら、次に五百里編をプレイする、といった遊び方が可能だ。もっとも、主人公を切り替えたところで物語の全貌を安易に読み解くことはできないのだが。

物語の真相は「究明編(辞書機能とイベント閲覧モード)」を活用することで理解できるようになっている。アドベンチャーパートで一度読んだ物語は究明編のイベントアーカイブに記録されるのだが、このイベントアーカイブでは時系列順に表示されるので、誰がいつどこで何をしていたのか前後の流れも確認することができる。ある程度プレイを進めた後に読み返すことで「なぜあの場所にあのキャラがいたのか」「あのキャラは何をしていたのか」など整理することができるのだ。バラバラに提示されるエピソードをパズルのように繋げて考察するようで、これが大変面白い。シナリオ内で明かされた謎は究明編のミステリーファイルに随時記録されていくので、ミステリーファイルを読み返すことでおさらいも容易に可能だ。

十三機兵防衛圏の追想編は、428~封鎖された渋谷で~のザッピングシステムによく似ているが、428や多くのアドベンチャーゲームと異なって、十三機兵防衛圏にはバッドエンドが存在しない。プレイヤーはどのシナリオから読むかを選択することはできるが、結末はひとつだけだ。戦闘パートで敗北した場合も(例えばパイロットの死亡などが敗北条件となっている)敗北後の展開などは描かれていない。「if」の展開が描写されていないのは少し残念に思えるが、あの世界で起こりうる出来事はこれが全てだと提示されているのにおおむね納得はしている。

シナリオ部分についてあえて物足りない部分をあげるなら、キャラクターの恋愛描写をもっと細かく描写してほしい、だろうか。「この子はなんであの子のことを好きになったのだろう」と考察することも、それはそれで楽しいのだけれど……。

キャラ萌え

十三人の主人公たちだけでなくサブキャラクターも皆魅力的だった。……と書くとどうしても薄っぺらくなってしまうのだが、キャラクター同士の掛け合いや関係を見るのがとても楽しくて、プレイしている間に皆大好きになってしまった。

十郎編をプレイしている時は、薬師寺恵みたいな女の子が家に押しかけてきてエプロンつけて晩ご飯作ってくれるの最高だな……と思った(公式サイトにもスクリーンショットが掲載されているが、エプロンを着けた薬師寺恵はめちゃくちゃ可愛いのである!)

カップリング的には南と三浦、比治山と沖野の関係が好きだったのだが、崩壊編の郷登と東雲の会話で郷登×東雲めっちゃ熱い……って頭がおかしくなりそうなほど興奮した。日周区wave2の戦闘後会話は神。

グラフィック

キャラクターの表情や仕草はいきいきしていて、背景ははっとするほど美しい。アドベンチャーゲームとして最高の表現ではないだろうか。

個人的に3Dポリゴンのキャラクターより2Dイラストの方が好きなのもあって、最高の映像だった。

音楽・ボイス

タイトル曲、日常曲、戦闘曲、どちらも気に入ったのでサウンドトラックも予約済。発売が楽しみにしている。タイトル曲と日常曲はプロローグ版のミニサウンドトラックに収録されているのだが、「Brat Overflow(タイトル曲・歌が入っているやつ)」「in the Doldrums(日常曲・学校内でよく流れていたやつ)」が特に好き。タイトル曲が戦闘パートで流れたシーンは激アツだった。

ボイスに関しても、もはや何も言うことはない。石川界人に真面目っぽい男の演技させたらそりゃ最高だよ……というのは私の完全な好みの話だが、かなりの兼ね役だった種﨑敦美の演技が素晴らしかった。他にも、ダウナー系に見せかけて意外と感情的な内田真礼とか、プレイボーイ役の鈴木達央とか、ヤンキーだけど普段は穏やかな関智一とか、ボイスに関しては本当に満足しかない。本当にありがとうございました。

システム

大きな不満ではないのだけど、アドベンチャーパートと戦闘パートが完全に切り離されているのは、悪くはないけど良くもなかった。戦闘が完全に作業になってしまったので……。あとは細かいところだけど、崩壊編の会話もイベントアーカイブに収録して欲しかった。最終戦の会話なんかはクリア後に読み返すことで、あの戦いの裏で何が行われていたのか理解できると思うので。トロフィーコンプリートまでの総プレイ時間は37時間程度。戦闘パートのクリア後に解放されるステージが噂によると9999面まであるらしいので、暇なときに少しずつプレイする……かも……?

総括

めっちゃくちゃ楽しかったです! PS4を所持しているなら買って損はないゲームだと思いますが、中でもノベルゲームをプレイするのが好きな人、世界の謎を解き明かしていく話が好きな人、男女のカップルを眺めてニヤニヤするのが好きな人に特にオススメです。

公式サイト

13sar.jp

商品紹介

十三機兵防衛圏 - PS4

十三機兵防衛圏 - PS4

  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: アトラス
  • 発売日: 2019/11/28
  • メディア: Video Game
 

2019年ゲームプレイ感想ざっくりまとめ

今年プレイしたゲームの話11連ガチャ!
ALTER EGOMystic Messenger、ダイナーアッポリ、VARIABLE BARRICADE、誰ソ彼ホテル、アイナナTwelve Fantasia!、十三機兵防衛圏、BUSTAFELLOWS、ムシカゴ、FGO、アイナナ)

ALTER EGO

alterego.caracolu.com

クッキークリッカー+ノベルゲーム+心理テストみたいなゲーム。
ノベルゲーム部分のヒロイン(エス)が可愛かった。
今でもたまにアプリを起動してエスちゃんに会いに行ってる。
プレイした時、私の心が結構すさんでる時期だったから今プレイすると心理テストの結果とか変わりそうだなーと思って最初からリセットプレイしたくなるんだけど、エスちゃんが悲しそうな顔をするのでリセットできない。

Mystic Messenger(ZEN GOODのみクリア)

msg.cheritz.com

韓国の乙女ゲーム。英語版をプレイ。
OPがめっちゃ好き。乙女ゲームのOPの中では一番好きかも。見て……。

ZENは「ZENかっこいいー!」みたいな反応をすると大げさに喜んでくれるし交流してて楽しくなれる男だった。そして実際格好いいのである。
プレイしてて楽しかったんだけど、毎日マメにプレイするシステム(キャラとリアルタイムでチャットすることで話が進んでいく)と英語読むのが辛くてZENのGOODしかプレイ出来てない。余裕があったら他のキャラも攻略したいな~。次プレイするときはVIPパッケージ買ってもいいかもしれん。

気になる人はプレイ前に↓の「Mystic Messenger 初心者向け遊び方ガイド」を読むのがオススメ。読まない場合もゲームは夜中の0時回った直後にプレイ開始するとチャットの取りこぼしがなくていい様子。

privatter.net

Mystic Messenger」でググれば英語の攻略サイトもあるから、パーティーゲストとのEメール対応なんかは攻略サイトでサクッと対処するのが楽でいいでしょうな。 

DYNAMIC CHORD feat.apple-polisher

honeybee-cd.com

プレイしながらTwitterに感想書いたせいもあって、もはや何も言うことはない感じなんだけど、私は夕星のBADエンドが一番印象的だったな。攻略対象に●される乙女ゲームは数あれど、●●されるのはめっちゃ愛を感じる。

今のhoneybee(というかアリスマティック)のコンテンツ展開方針が好きじゃないのでダイナー自体からは距離を置くようにしてるけど思いだした頃にまた楽しめたら良いなあ。

VARIABLE BARRICADE(TRUE以外クリア)

www.otomate.jp

好きなタイプのオトメイトゲーだった。(私の好きなオトメイトゲーはトリキス・GHP・デザキン)

コミカルな部分が多いのと、男達と同居&男達が仲のいい恋敵でわちゃわちゃしてるのがめっちゃ楽しかった。でもそれだけじゃなくて、一哉ルートなんかは色々考えさせられる部分があったり、楽しいだけでもないのがよかったかも。
TRUEルートだけまだ残ってるんだけど、正直クリアするのがさみしくてプレイできてない。ビジュアルファンブックが発売されたらクリアします(発売されるよね……発売して……)

誰ソ彼ホテル

se-ec.co.jp

乙女ゲーじゃない女性主人公のノベルゲーム。恋愛要素はない(男女の恋愛要素は、ない)

シナリオ楽しかったし満足してるんだけど、チケット制で基本プレイ無料(ただし全話チケット購入したら2万くらいかかる)のは価格設定ピーキーすぎてそこはちょっと嫌……って思った。

毎日チケット回復するのが楽しみな一方で、チケット無駄にしないように毎日読まなきゃ……ってなるのがしんどかったから、次作(ウーユリーフの処方箋)でそのへん改善してほしいなあ。難しいだろうけど。

アイドリッシュセブン Twelve Fantasia!(1周クリア)

idolish7-tf.bn-ent.net

アイドリッシュセブンのオリジナルストーリーゲーム。PSVitaのゲームにするならシステム部分もうちょっとなんとかして欲しかった。アイナナが好きじゃなかったら途中で投げてただろうし実際1周でギブアップした訳で(まあこのゲーム買うのはアイナナ好きな人だけだと思うけど)
物語部分に関しては"公式同人"という感想しかない。悪くはないんだけど得るものもあまりないというか。そしてこのゲームが2018年一番売れた女性向けゲームなのは世も末とだと思う。

www.bs-log.com

十三機兵防衛圏 プロローグ版

13sar.jp

めっちゃ面白かった。細かいドットで動きを見せてくれるのがいい。私は3Dポリゴンより2Dでイラストが動いてる様にみえる方が好き。
13人の少年少女のジュブナイルストーリー+ロボはガンパレード・マーチをちょっとだけ思い出したけど雰囲気は結構別物のように思える……かな。本編やってないし真相がわからんのでまだなんとも言えんのだけど。
本編も限定版買ってるんだけど原稿中でまだ未開封。はよプレイしたい。

BUSTAFELLOWS(体験版クリア)

joqrextend.co.jp

Side Kicks!同様、演出がすごく凝ってて見てて楽しい。すめらぎ琥珀氏の絵もすごくいい……。ストーリー進行に深く関わらないお遊び選択肢が多そうなのも楽しくていいよね。
前もちょっと触れたんだけど、体験版で改修できる主人公の兄に対するアーカイブ(ゲーム内辞書的な主人公のメモ)がすごいよくて、シナリオもだいぶ期待しちゃってる。

これも本編限定版買ってるんだけど原稿中&Switch未所持で未開封。早くSwitch買いたい。

ムシカゴ オルタナティブマーチ

上の説明だと何をするゲームかさっぱりわからんけど、無料で全部遊べる(広告もない) ので気になる場合はインストールしてプレイした方が手っ取り早いと思う。
要するに世界の謎をほんのり解き明かす+メインヒロインと多数の男女キャラが出てきてちょっと交流もできる、恋愛要素はあんまりない感じのノベルゲーム。
キャラクターのこととか時代設定とか、もっと深く知りたいなあと思ったので追加シナリオとかないのかな~って期待してる。マシューくんが好きなんだけどEエンドであんなことになってしまっておったまげました。怖いよ……。
エンディングを見るだけなら3時間くらい、キャラクター設定ページを回収するならもうちょっとかかるけど、結構さっくり攻略できるので気になる人はプレイしよう!な!

Fate/Grand Order 

www.fate-go.jp

今年もそれなりにプレイした。今2部5章やってるけどマンドリカルド君めっちゃ可愛くて最高だった……。(感想はTwitterに投げてしまってあんまり書くことがない……)

アイドリッシュセブン

idolish7.com

2018年の12月からボチボチプレイしてたんだけど今年の2月頃に本格的にハマってしまった。
私はうたプリを通ってきた人間だからプレイするまでアイナナにあんまり良い印象なかったんだけど(そこ順接でつなぐの?って思うかもだけどうたプリプレイヤーはだいたいそうなんで……)プレイしたらそんなんどうでもよくなりました。
アイナナのすごいところは勿論シナリオが文句なしに面白いのもあるんだけど、毎月定期的にメインシナリオが更新されて、定期的にイベントが開催されて、カードがどんどん増えて、節目のタイミングで特別シナリオがあって……と、とにかく供給があるってとこだと思う。特にキャラをバンバン増やすような供給じゃない所がいい。いわゆる追加キャラも存在するんだけど、既存キャラを推しててもちゃんと報われるような供給方法でファンを逃がさないように考えられてていいなあと……。
私は例によって主人公受けにハマってしまったので、欲を言うならアイドル×主人公的な内容がもっと欲しいなあと思ってるけど、アイナナに限らず女性向けコンテンツの商法としてBL寄りの方が売れるのはなんとなくわかっているのでそこは妄想でカバーしようと思います(と言うわけで1月に同人誌も出します。壮紡です。とさりげなく?宣伝
ファン感謝祭やライブなんかのオフラインイベントも参加しました。12月のファン感は大阪だったので現地にも行けてほんま楽しかった。

まとめ

年末にかけて、十三機兵防衛圏、MUSICUS!、BUSTAFELLOWS、アトリエシリーズ黄昏トリロジーDXを買ったので2020年はまずこれらを崩したい。
みなさん今年もお疲れ様でした。来年もゲームいっぱいプレイしよ~!

乙女ゲームの名前変換について思うこと

名字固定・名前のみ変換可能の主人公増えたよね、本名プレイ派だと生きづらいのでデフォ名でプレイできるように矯正してます、って話。

 

最近の乙女ゲームをプレイしていると、主人公の名前変換が『名前のみ変換可能』となっていて名字は固定されている作品が多いなと感じた。最近のというか乙女ゲームメーカー最大手オトメイトの新作はもう名前のみ変換可能に移行しきっていて、他のメーカーも名字固定作品が増えてきているのかなといった様子。


乙女ゲームでそれなりに重視される機能の一つとして『デフォ名呼び』があげられる。デフォ名呼びとはデフォルト名呼びの略で、主人公の名前をデフォルトのままでプレイしていた場合にその名前を登場キャラクターが呼んでくれるという機能だ。

乙女ゲームは『主人公の名前はプレイヤーが自由に変更できる』という文化が根付いていたために物語のクライマックスシーンなんかで「愛している!〇〇(主人公の名前)、一生大事にする!」なんて台詞があったならば「愛している!(しばしの無音)一生大事にする!」と肝心な部分で無音になったり、文章と音声の乖離が発生して現実に戻されるなんて事態がそれなりにあったわけだけれど、デフォ名呼びがあればそれも回避されると言うわけだ、主人公の名前をデフォルトのままでプレイしていれば。つまり主人公の名前変換プレイ派には全く恩恵のない機能である。


乙女ゲー・ギャルゲー問わず主人公の名前問題については「ときめきメモリアル」シリーズが一つの解を出していて、プレイヤーの指定通りに名前を発音してくれるEVSという夢のような機能があったわけだけれど、これも実はPSPやDSといった携帯機だと実装されていなかったりで中々難しい機能のようである。GS3なんかはEVSの代わりに『よくある名前数百パターンをあらかじめ声優さんが吹き込んでおく』というびっくりするような方法で名前呼びが実装されていた。声優さんに足を向けて眠れない。


そんなこんなで今まで主人公の名前をどう呼ぶか問題についてはメーカー側も色々と苦心していたのだろうなと思うのだけど、その解の一つとしてデフォ名呼びが実装されてから現在ではデフォ名呼びが実装されていることが基本、というくらいになっている。そしてデフォ名呼びが増えたことが追い風になっているのか名字固定作品も増えてきたように感じるのである。なんかこれ、デフォ名プレイヤーが優遇されすぎじゃない?と私のような名前変換プレイヤーは腹を立てたりしていた


していた、と過去形なのは、実は私は最近になって名前変換プレイを卒業してデフォ名プレイヤーに生まれ変わったからである。

私は主人公=自分と認識して乙女ゲームをプレイしているのだけれど、どちらかというと自分が主人公になりきるタイプで、私はその世界では主人公の姿と名前と立場をとって介入しているってイメージ。で、ゲームの世界の主人公と現実世界の自分を馴染ませるために初回プレイで必ず本名プレイをしていた。そうして主人公と自分が馴染んできてなりきり度が上がってきたタイミングでデフォ名に戻してデフォ名呼びを楽しむ

そういう儀式をしているので『名字固定名前のみ変換可能』だとこれがうまくいかなくて非常に困る訳だ。なので私はこの儀式を経なくても主人公になりきる訓練を積んだ。具体的には殺し屋とストロベリーの名前変更不可主人公で脳を慣らした後に、DYNAMIC CHORD4部作をデフォ名のまま完走した。ちなみにDYNAMIC CHORDにはデフォ名呼びが搭載されていないのでデフォ名でプレイする恩恵はあまりない。DYNAMIC CHORDシリーズの主人公は比較的無難に真面目なタイプが多くてなりきりやすくてデフォ名でも結構主人公とのシンクロ度をあげられたと思う。

今はVARIABLE BARRICADEでデフォ名プレイを試しているのだけどこちらの主人公はボイス付なのでうまくなりきれるかは未知数。というか乙女ゲームで主人公ボイス付なのはめちゃくちゃレアなのでどうなるか全然わからんのが正直なところ。


私個人の意見だが、今後乙女ゲームのデフォ名呼び、名字固定あたりは増えることはあっても減ることはないように思う。私みたいな主人公になりきるタイプや、主人公を一人のキャラクターととらえる人はよくても、主人公=自分で主人公を現実世界の自分に寄せるタイプの人にとっては冬の時代かもしれない。そういう人の最後の希望ってやっぱりときめきメモリアルGS4かなあと思われるのでコナミは色んな意味で頑張ってくれ〜〜〜と祈っている。


本筋から逸れるけれどギャルゲー(エロゲ)なんかは結構前から主人公の名前が固定されている場合が多いんだけど、その割に主人公=自分派のプレイヤーが多数だと感じていてそこが結構疑問だったりする。主人公=自分派というよりは、ヒロインは俺の嫁的な解釈というか。主人公×ヒロイン、というようなカップリング的な楽しまれ方は乙女ゲームプレイヤーよりも少ない気がする(無論、男性エロゲーマーでもカップリング的に楽しまれているプレイヤーも相当数いらっしゃるのは存じ上げている)
男性エロゲーマーの主人公観とか気になるのでよければ教えて下さい。コメントでもTwitterのリプでも歓迎です。

【68点】DYNAMIC CHORD feat.KYOHSO Append Disc レビュー・感想

レビュー

総合得点 68/100点

シナリオ 6/10 ★★★★★★☆☆☆☆
キャラ萌え 6/10 ★★★★★★☆☆☆☆
グラフィック 7/10 ★★★★★★★☆☆☆
音楽・ボイス 7/10 ★★★★★★★☆☆☆
システム 8/10 ★★★★★★★★☆☆

感想(ネタバレあり)

シナリオ

[rêve parfait]Liar-Sと比べて、またいちだんとエグい展開いれてくるな~と思いました。特に時明・優あたり。ただ私は、シナリオもキャラクターも正直なところ[rêve parfait]やLiar-Sの方が好みだった。

共通パートは短かった。Liar-Sも共通短いなーと思ったけど……。レヴァフェと同じくらいの長さが欲しかったなあ。でもKYOHSOもLiar-Sも、みんなでワイワイって雰囲気でもないから難しいか。レヴァフェは結成→デビューに向けてがんばるぞー!ってノリでメンバーもわりと和気あいあいとしてるけど、KYOHSOやLiar-Sは今抱えてる問題解決するのに四苦八苦って話なので……。長ければいいってものでもないけど。

八雲と加賀さんがめっちゃいい先輩なので私もDYNAMIC CHORD社に入社したいです。五十嵐八雲と職場恋愛したい。

キャラ別雑感

クリアしたのが2ヶ月くらい前なのでだいぶ忘れているのですが覚えている範囲で。

城坂 依都

アニメ版では神経質でナイーブなアーティスト肌って雰囲気だったけれど、ゲームでは明るく陽気なオニーサンだった。垂れ目でツリ眉の男に弱いので、依都さんの立ち絵を時々じっと眺めていた。かっこいい。ちなみに依都さんは私と同級生らしい。

最初主人公を襲おうとして「処女かよ、めんどくさい」的な発言をして主人公に手を出さないようになるんだけれど、依都さんが主人公に惚れた後はちょっと手を出すのためらってたりして可愛い。あとお母さんとちゃんと交流してるのいいよね。安心する。

英 時明

DYNAMIC CHORDシリーズの中でも相当やばい。一言で言ってしまえば「性に奔放」なんだけど、家族から性行為を強要されて育ったせいで性行為に関する倫理観が理解できない、らしい。Liar-S編で結崎は監禁という犯罪を犯してしまったので一線を越えているけど、時明さんは犯罪という一線は越えてないけど、自分がやばいことになってることに気付いていないというやばさがあってやばい。語彙力がなさ過ぎてやばいしか言ってなくてやばい。

END3でいきなり死んでしまうんだけど、 この時の依都さんの反応がめちゃくちゃ好き。遺体はなかったので、と描写されているんだけど、どうなって死んでしまったんだ……?

ゲーム内で「狂騒」時代の写真のイラストが見られるんだけど、この時明さんが好きです。ウィンクめっちゃ似合うな!

黒谷 優

やべーやつ・その2。ただし優さんは自分がおかしくなってることに気付いているので、やべーやつランクとしては時明さんの方が上だと思う。

潔癖症ぎみ(ex.他人が目の前で作った食事が食べられない)なのにセックス依存というのは相反してるような気もするんだけど、その辺は私もよくわからないのでこれ以上は何も言うまい。

濡れ場がだいぶやらしい感じだったのと、早く結婚したがりそうな雰囲気があって可愛いと思いました。一緒に暮らそう。

諏宮 篠宗

このブログ記事を書く際、私は諏宮という苗字を辞書登録しました。

長年付き合った彼女と同棲→彼女が浮気という話なんだけれど、ルート分岐したばっかりに不幸になられるのはちょっと可哀想な気がした。ルート分岐してなかったらそのまま結婚してそうな気がする。……それもちょっと複雑なんだけど。

グラフィック

時々ちょっと微妙なやつがあるって気がしてたんだけど、今作から冨士原先生じゃない方が原画やってるからかなぁ。うーん。

音楽

OP曲の「Roots of Life」が好き。アニメで玲音が死ぬほど歌ってた記憶が強いけど。

あとは、ロードの時に流れる「x-maniac」のメロディも好きですね。

総括

DYNAMIC CHORD自体が乙女ゲームの中でもダークな方だと思うのですが、その中でもKYOHSOはまた雰囲気が違うというか、ヘビーな内容。ドロドロした話の乙女ゲームをやりたい時にはいいかも?私はそこまで刺さらなかったな……。

公式サイト

honeybee-cd.com

商品紹介

【通常版】DYNAMIC CHORD feat.KYOHSO Append Disc

【通常版】DYNAMIC CHORD feat.KYOHSO Append Disc

  • 出版社/メーカー: honeybee
  • 発売日: 2016/07/29
  • メディア: CD-ROM